大森山動物園では4頭のトナカイを飼育しています。
トナカイは寒い国の動物。
北国の秋田は彼らによい環境ではないかと、県外在住者は思ってしまいますが、
実際に訪れた方はよくご存じのとおり、夏の秋田はとても暑いのです。
そんな秋田でのトナカイ飼育の取り組みについて、大森山動物園の飼育員柴田さんの取り組みを見学させていただいてきました。
トナカイさんたちは、暑さに必死に耐えています。
左:雁来(カリキ)さん(♀2歳)、右:ルドルフくん(♂2歳)
日本の気候は彼らには暑すぎます。
トナカイさんは夏毛に換毛していますが、それでも熱がこもってしまいます。
さらに、牛の仲間につくサシバエが彼らを苦しめます。
ルドルフくんの顔にもサシバエが。。。
サシバエは他の園でも蹄の動物によくついていて動物を悩ませています。
トナカイさんはサシバエが苦しくて、走り回ったりするので、暑い夏だとさらに体温をあげる
ことになってしまいます。サシバエ被害の抑制は夏のトナカイさんの健康にとても重要です。
(大森山では、ある虫よけスプレーを使われていて、よい成績をあげられているそうです)
このままだと熱中症になってしまうので、放水して少しでも冷却してあげます。
水をかけることでサシバエ被害も若干軽減することが期待されます。
トナカイさんのお話を聞いてあげているように見えますが(笑)、肌に感じる鼻息から体温を推測しておられるところです。
水がかかると気持ちはよさそうではありますが、反応は個体で違うようです。
雁来さんとルドルフくんは水がかかること自体はあまり好きではないみたい。
すぐ逃げてしまうので、頭絡をつかんで、十分水をかけてあげます。
稲積(イナヅミ)さん(♀2歳)は、積極的に水のところにやってきます。濡れることも好きみたいです。
スプリンクラーをかけておくと、しぶきが飛んでくるところに座ってじっとしていました。
トナカイさんはぬた場で泥を浴びるということはしません。
だから、これは暑さに追い詰められての行動と思われます。
こうして手間をかけて水をかけてあげても、夏毛に阻まれて身体本体まではあまり届いていないらしく
暑い日は、一日の間に何回も水をかけてあげなければなりません。
その間隔が開いてしまうと、スプリンクラーのしぶきを浴びていても熱中症になってしまったりするそうです。
この暑い夏を過ごすには、これだけでは十分とは言えません。
日本でトナカイさんに元気に過ごしてもらうため、柴田さんはある構想を思いつかれました。
それは。。。
つづく。。。
(8月10日撮影)